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26.2マイルを走る僕の旅

Fintechのスタートアップイベントに参加してきた

Fintechのイベントに参加してきた。

Fintechスタートアップ最新トレンド2016 on everevo

アメリカやロンドン、イスラエル、またアフリカなどのFintech事情や三大銀行の話などを聞くことができた。 中でもいくつか印象的だった話を自分の意見も交え紹介する。

 

なぜ今Fintechなのか

今までもシステム会社が金融機関に向けて新しいシステムを提案したり、金融機関が独自システムを作ったり、他業種が銀行業を始めるなど金融×ITの切り口での話は多くあった。
そもそもFintechという言葉の定義にもよるのだが、金融機関×システム会社では生み出せないような価値をスタートアップが提供できるようになってきた為、今盛り上がっているといえる。
※皮肉っぽくいえば欧米で流行っているからともいえる。

では、なぜスタートアップがFintechで価値を生み出せるようになったのか。
大きく3点あると考えている。

参入障壁が下がった

やはりこれが一番大きい。
カンファレンスの中でも話されていたが、15年前ほどにも金融×ITが盛り上がった。
そして他業種の例えばソニーソニー銀行に参入するなど、他業種での大手プレイヤーがその莫大な資本を持って金融業界に参入していった。
当時は参入障壁が高かったのだ。

今は時代が変わった。
システム開発費用も下がり開発機関も短くなった。
もちろん本丸である預金・融資といったところは今でも難しいが、周辺の会計、口座管理などはSaasによるFintechスタートアップが台頭してきており、金融機関も当然無視できなくなっている。
マネーフォワードとみずほ銀行が連携 | 株式会社マネーフォワード

あとはベンチャーへの投資環境が変わったことも影響を及ぼしている。
資本金が大してなくても今はエンジェル投資家から資金調達でき、特にアーリーステージの調達も増えている。

平成26 年度 起業・ベンチャー支援に関する調査

スマホやIoTによる新しいユーザー体験が生まれた

今までもガラケーへの対応など、新しいユーザー体験に金融機関は一応対応してきた。
それでも、スマホアプリや他のIoT機器を使うことで今までと全く異なるサービスが可能となり、このスピード感に追いつけていない部分が金融機関にはある。

そしてスマホアプリはリリースの障壁が低く、小さな企業でも例えば家計簿アプリをリリースし一気に流行らせることができる。
特にスマホのような日常で接点が多いデバイスだと、1画面目に置かれるようなアプリとユーザーの接触回数は非常に多く、金融機関がこれと提携するだけの価値があるのだ。 どうしても特定の金融機関が出しているアプリでは、なかなか多く使われることが無い為、ここは外部の力を借りるのがベストという判断になってきているようだ。

ブロックチェーンの躍進

ブロックチェーンがなんたるかはここらへんの記事を見ておくとわかりやすい。

jp.techcrunch.com

大々的にブロックチェーンによるソリューションをSIerに依頼しても、なかなか革新的なものは生まれないだろう。
大手SIerは旧来の技術、開発手法を踏襲して新規サービスを作ることはできるが、どうしてもそもそもの金融業界の価値観を変えてしまうようなことには手を出しづらい。
リスクも当然ある。
いやらしい言い方をするとここはスタートアップにリスクを取ってもらいましょうということだ。

まとめ

つまり、今は障壁も低いし投資環境もあるし新しい技術に金融機関もついていけていないからチャンスだよーということ。

とはいえ規制うんぬんもある為、まずは預金→投資となるようなもの(この話何十年してるんだ)や会計や口座管理などが中心になってくるんじゃないかなと思う。
個人的にはコールセンターやヘルプを機械で代替していくなど、ユーザーサポート周りはけっこう可能性あるとは思う。

あとこういったイベントに行くたびに、スタートアップにつばをつけておきたい証券会社の営業員がたくさんくる。
頑張っているのはわかるけど、こういった営業員を何か自動化できる仕組みとかつくってくれませんかね。